こんにちは!旭川市の歯医者、歯科医院開業25年の松本歯科クリニック院長、松本弘幸です。
今回は、「インプラントは痛い?」についてお話をしていきます。
目次
- インプラントとは?基本を知れば不安はやわらぐ
- 「インプラント=痛い」の誤解と実際の痛みについて
- インプラント治療のデメリットとは?知ることで防げるリスク
- インプラントの寿命と長持ちさせる秘訣
- インプラントとMRI・医療費控除に関する基礎知識
- 芸能人にも選ばれるインプラント、その理由とは
- まとめ:正しい情報で不安を手放しましょう
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インプラントとは?基本を知れば不安はやわらぐ
「インプラントとは何かよくわからないから怖い」という方は多くいらっしゃいます。インプラントとは、歯を失った部分のあごの骨にチタン製の人工歯根(インプラント体)を埋め込み、その上に人工歯を装着する治療法です。
入れ歯やブリッジと異なり、周囲の歯に負担をかけず、噛む力や見た目が天然歯に近いという利点があります。これだけ聞くと難しそうですが、技術の進歩により多くの方が安全に治療を受けています。
インプラントは見た目や噛む機能を取り戻すだけでなく、健康的な口内環境の維持にも貢献する治療法です。
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「インプラント=痛い」の誤解と実際の痛みについて
「インプラントは痛い」とのイメージが先行し、治療に踏み切れない方がいます。しかし、手術時には局所麻酔がしっかり効いており、痛みはほとんどありません。術後も適切な痛み止めを処方するため、強い痛みを感じるケースは稀です。
さらに、近年ではレーザー治療やコンピューターガイド手術など、痛みや腫れを抑える新技術が広まってきています。
実際にインプラントを受けた方の多くが「想像していたより痛くなかった」と語っています。大切なのは、不安を抱え込まずに医師に相談することです。
- インプラント治療のデメリットとは?知ることで防げるリスク
インプラントには多くの利点がありますが、デメリットも存在します。
主なデメリット
- 外科手術が必要(体調や既往歴によっては適応外)
- 治療期間が長い(3〜6か月ほどかかる場合も)
- 保険適用外が基本のため費用が高額
- 定期的なメンテナンスが必須
ただし、これらのデメリットは事前のカウンセリング・検査で十分にリスクコントロールが可能です。体調に問題がある方も、条件次第で治療ができるケースもあります。
また、定期的な通院と適切なセルフケアを行えば、トラブルの予防や寿命の延長が期待できます。
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インプラントの寿命と長持ちさせる秘訣
インプラントの寿命は、平均して10〜15年程度と言われています。しかし、これはあくまで目安であり、適切なメンテナンスを行えば20年以上使えることも珍しくありません。
寿命を左右する要因には以下のようなものがあります。
- 毎日のブラッシングやフロスによるセルフケア
- 定期的な歯科医院でのメンテナンス
- 喫煙・糖尿病などの全身状態
つまり、「インプラント=すぐダメになる」というわけではありません。丁寧に手入れすることで、天然歯と同様に長く使うことが可能です。
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インプラントとMRI・医療費控除に関する基礎知識
インプラントとMRI検査
「インプラントを入れるとMRI検査ができなくなるのでは?」と心配される方がいますが、インプラントに使用されているチタンは非磁性体で、基本的にMRIに影響はありません。ただし、装着している被せ物の素材によっては画像に影響を与えることがあるため、事前に主治医や放射線技師へ申告しましょう。
インプラントは医療費控除の対象?
インプラント治療は医療費控除の対象になります。1年間にかかった医療費が一定額(10万円または所得の5%)を超えると、確定申告で一部が所得税から控除されます。
【例】治療費が60万円だった場合、数万円程度が還付されることがあります。控除対象にするには領収書を保管し、確定申告時に提出する必要があります。
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芸能人にも選ばれるインプラント、その理由とは
近年、多くの芸能人がインプラントを選択していることが知られています。見た目や発声、表情の美しさが求められる彼らにとって、自然な見た目でしっかり噛めるインプラントは重要な治療法です。
「芸能人=高級な治療」と思われがちですが、実際には一般の方にも提供されている治療と基本的には同じです。違いがあるとすれば、セラミックのグレードや審美的な仕上がりへのこだわりなどでしょう。
インプラントは特別な人のものではなく、だれでも選べる選択肢です。
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まとめ:正しい情報で不安を手放しましょう
インプラントに対する恐怖心は、「痛そう」「高そう」「危なそう」といったイメージの先行による部分が大きいです。しかし実際には、
- 麻酔や鎮痛剤で痛みは最小限
- 医療費控除が使える
- 定期的なメンテナンスで寿命を伸ばせる
- MRIにも基本的に影響なし
- 多くの人が安全に治療を受けている
といった点から、安心して治療を受けられる選択肢であることがわかります。
恐怖心がある方こそ、まずは信頼できる歯科医院で相談してみましょう。あなたの不安に寄り添い、わかりやすく説明してくれる医師がきっと見つかるはずです。
出典・参考文献
- 日本口腔インプラント学会「インプラント治療とは」https://www.shika-implant.org/public/about/
- 厚生労働省「医療費控除のしくみ」https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/shotoku/1120.htm
- 日本放射線技師会「インプラントとMRIの関係」https://www.jart.jp/
- 東京都歯科医師会「インプラントのよくある質問」https://www.tokyo-da.org/
松本歯科クリニック
院長 松本弘幸
日本口腔インプラント学会(JSOI)専門医
近未来オステオインプラント学会(IPOI)専門医
専門医日本訪問歯科協会認定医