歯を抜かずに残せる可能性
知りたくありませんか?
歯が何らかの原因で割れてしまった場合、通常は「抜歯(歯を抜く)」が必要です。
抜歯後は、「義歯(部分入れ歯)」「ブリッジ」「インプラント(人工歯根)」「放置(何も処置を行わない)」のいずれかを選択するしかありません。
しかし、状態によっては歯を抜かずに治療できる方法があります。
こんなお悩みありませんか?
- 歯がグラグラしている…
- 歯茎が腫れている・・・
- 歯の根の治療(根管治療)が長引いてる・・・
- 差し歯が何度もとれてしまう・・・
- 抜歯するしかないと言われた・・・
当院では「破折歯接着再植」を行っています。
すべてのケースで確実に歯を保存できるわけではありませんが、
抜歯を考えている方はぜひ一度ご相談ください。
破折歯接着治療とは
「破折歯」とは、歯にヒビが入っていたり、割れていたり、折れた状態の歯のことです。
「破折歯接着再植」とは、破損した歯の部分を接着して修復する治療のことです。
通常、破折した歯は抜歯が一般的とされていますが、割れた歯も初期段階であれば、専用の接着材を使用して損傷した部分を修復し、新しいグラスファイバーの支柱を立てる治療法があります。
また、気づかずに放置されたり、割れた部分が分離した歯の根に対しては、「再植」治療法を用いることで、以前と同様に歯を使えるように修復することができます。
ただし、破折歯治療の予後は必ずしも元の歯と同じとは限らず、破折線に沿った深い歯周ポケットが残存する可能性や、再感染や再破折のリスクがあります。
全ての破折歯が保存できるわけではなく、破折の程度、部位、方向、そして経過時間などが複雑に影響する可能性があります。
治療の選択と正確な診断が重要であり、予後が不良と考えられる場合は他の治療法(ブリッジやインプラントなど)を検討する必要があります。
破折歯と診断される症例
M-Ⅰ型 | 歯槽骨欠損の軽い急性破折 前歯の衝撃加圧による破折 |
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M-Ⅱ型 | 骨質に厚みのある3壁性骨欠損 小臼歯大臼歯の破折初期症例に多い |
M-Ⅲ型 | 骨質が薄い唇頬側部に多い2壁性骨欠損 前歯部小臼歯大臼歯近心頬側根の長期放置 |
M-Ⅳ型 | 歯根周囲及び暈型の骨吸収 |
M-Ⅴ型 | 破折か分離した歯槽骨破壊が大きい症例 |
歯根膜の重要性
歯根膜とは、歯の根の部分を包んでいる膜のことです。
歯と歯槽骨の間にあり、クッションのような役割を果たしており、また、歯周組織の再生にも深く関係しています。
そのため、歯を移植する場合には、歯根膜の状態も視野に入れて検討する必要があります。
口腔内接着直接法
歯根破折による歯の周りの組織炎症が少ない場合に適用する方法です。
患者さんの負担が少ないため、可能な限りこの術式を適用しています。
破折した歯に直接SB(スーパーボンド)をつけて接着させます。
その後、ファイバーコア(i-TFCシステム)を築盛します。
ほとんどのケースで当日に仮歯まで装着することができます。
しかし、条件が悪かった場合は、術後に破折汚染部に起因した歯周炎を発症する場合があります。
このような場合には、歯の根の外側から破折部を清掃修復するために、歯茎を切り開く「歯肉剥離掻爬術」、あるいは歯を抜歯して元へ戻す「再植法」を適用いたします。
口腔内接着直接法で経過不良の時には、再植法を適用する場合もあります。
口腔内接着直接法の流れ
口腔外接着再植法
割れた歯が長く放置された場合など、破折部が開き分離している場合は、そのままでは修復できません。
一度抜歯して、破折した歯を接着して、ファイバーコア築盛、再植して固定する治療が必要になります。 縫合するため、後日抜糸が必要です。
状況によっては、当日仮歯を装着できない場合もあります。
場合によっては、歯を残すことが不可能で、そのまま抜歯となる場合もあります。
口腔外接着再植法の流れ
破折歯接着保存治療の特徴
- 歯を抜くリスクを減らせます
- 割れた歯がもとと近い状態に戻ります
- 適応できない症例があります
- 歯科医師に髙いスキルが求められます
以下のような場合は歯を残すのが難しい場合があります
- 歯の割れ方が複雑で、接着修復が不可能な場合
- 破折による炎症組織、骨吸収が予想以上に進行していた場合
- レントゲンから読み取ることが不可能な病変が存在していた場合
- ブリッジの土台となる歯に対しては適応しておりません
費用
破折歯修復・再植 | 132,000(税込) |
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※上部構造は別途費用が掛かります
症例
治療内容 | 破折している歯を抜いた後、接着し、再植を行う。 |
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治療費 |
破折歯修復・再植132,000円 +上部構造(ジルコニアクラウン)110,000円 |
治療期間 | 6か月 |
主なリスク | 手術の途中で歯を残すことが厳しいと判断した場合や術後の経過が悪いときはやむを得ず抜歯する場合がある |
破折歯接着再植のリスク・注意点
- 歯が折れるということは、それだけ強い力が常時かかっているということですので、治療後に再び歯が折れるリスクがあります。
- 治療終了後も再び炎症がおこる可能性があり、その場合、追加処置をしながらできるだけ歯を維持していきます。
- 手術の途中で歯を残すことが厳しいと判断した場合や術後の経過が悪いときはやむを得ず抜歯する場合があります。
- 再植した歯が安定し、咬合に耐えられるようになるには3か月ほどの安静期間が必要です。
- 再植歯への咬合力の集中を避けるため、隣の歯との連結や保定のための装置(リテーナー)を使用していただきます。
- 再植を行った歯は保険診療の対象外となるため、クラウン等のかぶせ物については関係する歯すべてが保険対象外となります。
- 再植を行った歯が機能する目標は5年です。5年以内に抜歯に至った場合は、インプラント等自費治療への代金充当をいたしますが、返金や保険治療への充当はいたしかねます。
- 手術後の経過を良好に保つため、6か月ごとのメンテナンスを受けていただく必要がありますが、転居等やむを得ない事情でメンテナンスを受けていただけない場合は事前にご連絡ください。
- 当院で行った破折歯について他院にて抜歯等の治療を受けた際は、治療を放棄したとみなし、保証はいたしません。