
「噛むたびに奥歯がズキッと痛む」「歯茎が繰り返し腫れるけれど、虫歯はないと言われた」——そんな経験はありませんか。これらは歯根破折(しこんはせつ)のサインである可能性があります。
歯根破折とは、歯の根の部分にひびや割れが生じた状態のことです。レントゲンにも映りにくく、症状が虫歯や歯周病と似ているため、気づかないまま悪化してしまうケースも少なくありません。
この記事では、歯根破折の代表的な症状・見分け方のポイント・原因・そして適切な対処法について、できるだけわかりやすくお伝えします。「もしかして自分もそうかも?」と感じている方にとって、受診前の判断材料になれば幸いです。
- ✔歯根破折の特徴的な症状と、虫歯・歯周病との見分け方
- ✔歯根破折が起こりやすい原因とリスクが高い歯の特徴
- ✔歯根破折が疑われるときにとるべき行動と治療の選択肢
- ▸ 歯根破折ってどんな状態?よくある症状
- ◦ 歯根破折とは何か
- ◦ 代表的な自覚症状
- ◦ どの歯に起こりやすいか
- ▸ 虫歯・歯周病との見分け方——見逃しやすいサインとは
- ◦ 歯根破折と虫歯の違い
- ◦ 歯根破折と歯周病の違い
- ◦ 歯根破折を自分で判断することの限界
- ▸ 歯根破折が起こる原因とリスク要因
- ◦ 物理的な要因
- ◦ 年齢・生活習慣も関係する
- ▸ 歯根破折が疑われるときの対処法と治療の選択肢
- ◦ まず歯科医院を受診する
- ◦ 治療の選択肢
- ◦ 再発・予防のために知っておきたいこと
- ▸ 松本歯科クリニックの破折歯への取り組み
- ▸ よくあるご質問
- ◦ 📝 この記事のまとめ
- ◦ 監修医師プロフィール
歯根破折ってどんな状態?よくある症状
歯根破折とは何か
歯根破折とは、歯冠(見えている部分)ではなく、歯茎の中に埋まっている歯根の部分に亀裂や割れが生じた状態を指します。英語では「Vertical Root Fracture(VRF)」とも呼ばれ、歯科の分野では難しい問題のひとつとされています。
歯根は歯茎の奥深くにあるため、口の中を直接見ても確認するのがむずかしく、通常のレントゲン撮影でも亀裂が映りにくいことがあります。そのため発見が遅れてしまい、気づいたときには周囲の骨が溶けていた、というケースも報告されています。
代表的な自覚症状
歯根破折の症状はさまざまですが、次のようなサインが現れることが多いです。
| 症状 | 特徴・補足 |
|---|---|
| 噛むと痛い・違和感がある | 特定の方向から噛んだときだけ痛む場合がある |
| 歯茎が腫れたり引いたりを繰り返す | 同じ場所が何度も腫れる、膿が出るなど |
| 歯茎にニキビ状のふくらみ(フィステル)ができる | 根の先の炎症が歯茎に出てくることがある |
| 以前に神経を取った歯が痛む | 神経のない歯でも歯根破折は起こる |
| 歯がぐらつく感じがある | 周囲の骨が溶けてくると動揺が生じることも |
これらの症状は個人差があり、まったく痛みがない状態で偶然発見されることもあります。「なんとなく気になる」という違和感があれば、それだけでも受診のサインといえます。
どの歯に起こりやすいか
神経を取った治療歴のある歯(失活歯)は、水分が失われて脆くなっているため、歯根破折が起こりやすいといわれています。特に上顎・下顎の大臼歯(奥の大きな歯)や、金属の土台(メタルコア)が入っている歯はリスクが高い傾向があります。また、歯ぎしり・食いしばりの強い方も注意が必要です。
虫歯・歯周病との見分け方——見逃しやすいサインとは

歯根破折と虫歯の違い
虫歯は歯の表面(エナメル質・象牙質)が細菌に侵食されていく病気で、初期は自覚症状がほとんどなく、進行すると「しみる・ズキズキ痛む」といった症状が出てきます。歯根破折とは発症の仕組みが異なりますが、症状が似ているため混同されやすい点が問題です。
見分けのポイントとして、虫歯の痛みは「冷たいもの・甘いものでしみる」ことが多いのに対し、歯根破折は「噛む動作で特定の角度から力がかかったときにだけ痛む」というパターンが多い傾向があります。ただし、これはあくまでも一般的な目安であり、症状には個人差があります。
歯根破折と歯周病の違い
歯周病は歯の周囲の組織(歯槽骨・歯肉)が細菌によって破壊される疾患で、歯茎の腫れ・出血・歯のぐらつきが主な症状です。歯根破折も歯茎の腫れや骨の吸収を引き起こすため、「歯周病が治らない」として長期間治療を続けていた歯が、実は歯根破折だったと判明するケースがあります。
ポイントは腫れの場所が特定の1本の歯の周囲に限定されているかどうかです。歯周病は通常、複数の歯にまたがって症状が広がりますが、歯根破折は特定の歯の周囲だけに繰り返し膿や腫れが出ることが多いです。
同じ歯の周囲だけが何度も腫れる・膿が出る・フィステル(歯茎のニキビ状のふくらみ)ができる——このような場合は、歯根破折の可能性を念頭に精密検査を受けることが大切です。特に過去に根管治療(神経を取る治療)を行った歯で起きやすいとされています。
虫歯や歯周病による痛みは噛む方向にかかわらず出ることが多いですが、歯根破折では特定の角度で噛んだときだけ鋭く痛む「方向性のある痛み」が現れることがあります。「この方向から噛むと痛い」という経験がある方は、一度歯科医師に相談することをお勧めします。
歯根の縦方向のひびは、通常の二次元レントゲン写真では映りにくいことが知られています。CTスキャンによる三次元的な画像診断が、歯根破折の検出に有効とされています。「レントゲンで異常なしと言われたのに症状が続く」という方は、CT撮影を含む精密検査を受けることをご検討ください。松本歯科クリニックでは院内にCTを完備しています。
歯根破折を自分で判断することの限界
症状から「もしかして歯根破折かも」と推測することはできますが、確定診断は歯科医師による検査が必要です。CTを使った精密な画像診断や、視診、歯周ポケット検査などを組み合わせることで、より正確な判断が可能になります。自己判断だけで放置すると、周囲の骨が溶けてしまい、のちに治療の選択肢が限られてしまうこともあります。早めの受診が大切です。
歯根破折が起こる原因とリスク要因
物理的な要因
歯根破折の主な原因は、歯根に過剰な力がかかることです。代表的なものとして以下が挙げられます。
神経を取った歯に金属製のポスト(土台)を入れている場合、金属の弾性と歯根の弾性の違いから歯根に大きなストレスがかかりやすいとされています。噛む力が繰り返し加わることで、内側から歯根が割れていくことがあります。現在は、歯根と弾性が近いファイバーコア(グラスファイバー素材)への移行が推奨されるケースも多くなっています。
睡眠中の歯ぎしりや日中の食いしばりは、通常の咬合力の何倍もの力を歯に加えることがあります。神経のある歯であっても、長期間にわたる過剰な咬合力は歯根にひびを生じさせるリスクになります。自覚がないまま歯ぎしりをしている方も多く、起床時のあごの疲れや頭痛がサインになることがあります。
根管治療(神経を取る治療)後の歯は、内部の水分・有機成分が失われ、象牙質が脆くなります。治療そのものが悪いわけではなく、その後の歯のケアやかぶせもの選択が重要です。治療後に適切なクラウン(かぶせもの)でしっかり保護することで、破折のリスクを下げることができます。
年齢・生活習慣も関係する
加齢とともに歯質は徐々に脆くなっていく傾向があります。また、硬い食べ物を好んで食べる習慣・爪を噛む癖・片側だけで噛む習慣なども、特定の歯に負担をかける要因になります。これらのリスク要因を把握しておくことで、歯根破折の予防に役立てることができます。
歯根破折が疑われるときの対処法と治療の選択肢

まず歯科医院を受診する
歯根破折が疑われる症状があるときに、自己判断で市販の痛み止めだけを飲み続けることはお勧めできません。痛みが一時的に和らいでも、根本的な問題は解決しておらず、周囲の顎骨への影響が広がる可能性があります。症状が出たら早めに歯科医院を受診することが、治療の選択肢を広げることにつながります。
治療の選択肢
歯根破折の治療は、破折の位置・程度・範囲によって大きく異なります。主な選択肢は以下のとおりです。
▶ 破折歯接着再植(保存治療)
- ○可能な場合は抜かずに、破折した部分を直接接着して修復する
- ○条件が難しい場合は、一度抜歯して口腔外で接着し再び戻す方法もある
- ○適応できれば抜歯を回避し、自分の歯を温存できる可能性がある
- ○歯根破折の位置や骨の状態によって適応が判断される
▶ 抜歯後の補綴(欠損補修)
- △破折が広範囲にわたる場合は抜歯が選択されることがある
- △抜歯後はインプラント・ブリッジ・入れ歯などで補う
- △隣接歯への影響を最小限にするためにも早期判断が重要
- △骨の状態によってはインプラント治療に骨造成が必要になることも
どの治療が適しているかは、歯根破折の状態・歯の周囲の骨の残存量・患者さんの全身状態などによって異なります。また、歯根破折は見た目では判断がむずかしいため、CT撮影を含む精密な検査を受けることが重要です(治療の適応・予後には個人差があります)。
注意:歯根破折は放置すると周囲の顎骨が吸収され、治療の選択肢がさらに限られてしまうことがあります。「様子を見ればよくなるかも」と思って長期間放置することは、のちの治療をより複雑にするリスクがあります。気になる症状があれば、早めに歯科医師にご相談ください。
再発・予防のために知っておきたいこと
歯根破折の予防として重要なのは、神経を取った歯をしっかりクラウン(かぶせもの)で保護することです。また、歯ぎしり・食いしばりがある方はマウスガードを使用することで、歯への過剰な力を緩和する効果が期待できます。定期的なメンテナンスで歯の状態を確認することも早期発見につながります。
松本歯科クリニックの破折歯への取り組み
旭川市大町の松本歯科クリニックでは、「なるべく削らない・なるべく抜かない治療」を方針として、破折歯の保存に真剣に取り組んでいます。患者さんが「抜くしかない」と言われてあきらめていた歯について、精密検査の結果、別の選択肢をご提案できたケースもあります。
- ★院内CT完備——通常のレントゲンでは発見しにくい歯根のひびも、CTによる三次元画像で詳細に確認できます。精密な診断が適切な治療方針の決定につながります。
- ★破折歯接着再植への対応——条件が整う場合は、抜歯を避けるための接着治療に対応しています。まずはご相談ください。
- ★日本口腔インプラント学会 専門医が在籍——抜歯が避けられない場合のインプラント治療についても、大学院でインプラントを専門に研究した院長が対応します。骨造成にも対応しており、骨の量が不十分な場合も含めてご相談いただけます。
- ★自由診療最長10年保証・ガイデント社認定10年保証——治療後も安心して過ごしていただけるよう、充実した保証制度を整えています(保証には条件があります)。
- ★口腔内カメラ・デジタルレントゲンで「見える説明」——患者さんご自身が口の中の状態を確認しながら治療方針を理解できるよう、丁寧な説明を心がけています。
「歯が割れているかもしれない」と感じたとき、誰でも不安になりますよね。大切なのは、その不安を放置せず、早めに専門家に診てもらうことです。当院ではCTを活用した精密な診断を行い、できる限り歯を残す方向で治療方針をご提案しています。患者さんが納得されたうえで治療を進めることを大切にしていますので、「抜くしかないと言われた」「他院で断られた」という方も、まずはお気軽にご相談ください。
松本歯科クリニック 院長 松本 弘幸(まつもと ひろゆき)
よくあるご質問
📝 この記事のまとめ
- ✔歯根破折は「噛むと痛い」「同じ歯茎が繰り返し腫れる」「フィステルができる」などの症状が特徴的
- ✔虫歯・歯周病と症状が似ているため見落とされやすく、通常のレントゲンでも映りにくい場合がある
- ✔神経を取った歯・金属土台が入っている歯・歯ぎしりが強い方は特にリスクが高い傾向がある
- ✔CT撮影を含む精密検査が早期発見・適切な治療方針の決定につながる
- ✔症状が出たら早めに受診することが、治療の選択肢を広げることにつながる
歯根破折が心配な方は、まずはご相談ください
旭川市大町の松本歯科クリニックでは、院内CTを活用した精密診断で歯根破折の早期発見に努めています。「噛むと痛い」「歯茎が何度も腫れる」など気になる症状がある方は、お気軽にご相談ください。なるべく歯を残す方向で、一緒に最善の方法を考えます。
【診療時間】月〜金 9:00〜12:30 / 14:00〜18:00 土 9:00〜13:00(午後休診) 休診日:日曜・祝日・土曜午後
〒070-0842 北海道旭川市大町2条10丁目173-55 TEL 0120-437814
駐車場 屋内4台・屋外2台/春光イオンそば/JR旭川駅よりタクシーで約15分

















