こんにちは、旭川の歯科医院 松本歯科クリニック 院長の松本です。
最近よく「矯正を始める時期は、永久歯が生えそろうまで待った方がよいのでしょうか」という相談を受けます。
皆さんは、スキャモンの発育曲線を覚えていますか。
頭に近い上の顎の骨は神経系の発達に近く、10歳頃までにほぼ成長を終えますし、下の顎の骨は一般骨格の発達に近く、10歳を過ぎた頃から2次成長が始まります。
歯列矯正に適した時期とは、この成長の時期と一致します。つまり、下顎前突(受け口)の治療は乳歯列期から混合歯列期(乳歯と永久歯が混在している時期)がよく、上顎前突(出っ歯)の治療は混合歯列期から永久歯列期がよいとされているのです。
また、犬歯(糸切り歯)は根が大きいので、これを動かすには相当大きな力が必要です。13才頃に生えてきますが、これが生えてからだと、前歯の移動が制限されてしまい、4番目の歯を抜いて治療する可能性が高くなりますし、治療期間も長くなります。
4番目の歯を4本とも矯正治療のために抜くと、親知らずを含めずに数えると本来28本の歯が24本になってしまいます。そうなると口元の見た目が貧相になってしまったり、物を噛む効率が悪くなったりする可能性があります。
最近は歯の大きさに対して顎が小さい場合が多く、放置していると叢生(乱ぐい歯)になってしまいます。早めに顎を横に広げることで歯列不正を予防し、永久歯がきれいに並ぶ可能性が高くなります。
歯並びが悪くなる原因
歯列不正の原因はさまざまですが、普段何気なくしているしぐさが歯列の乱れに影響していることが多いので、お子さんの場合は親御さんが気をつけて観察してみましょう。
たとえば次のようなしぐさをしている場合は要注意です。
・下唇を噛む
・手の指をしゃぶる
・つめやタオル、鉛筆などを噛む
・舌を口から出す
・口で呼吸している(鼻が詰まっている場合が多い)
・猫背
・頬杖をつく
・うつ伏せや横向きで寝ている
弱い力でも、長い期間同じ方向から力がかかると、歯の生えている方向がずれてしまいます。外から力がかかると内側にずれて歯列が狭くなって歯並びが悪くなります。
内側から力がかかると外側にずれて出っ歯になったり歯と歯の間のすきまが広がったりします。
たとえ矯正治療で歯並びを治しても、上記のしぐさがあれば、また歯並びが悪くなりやすいです。
様々な観点から歯列が悪くなっている原因を探り、解消させていくことが重要です。
歯並びに関して少しでも気になることがあれば、お気軽にお問い合わせ下さい。
松本歯科クリニック
院長 松本 弘幸