2026年5月13日(水) 口呼吸が歯並びに与える悪影響とは|今すぐできる改善方法を解説

「お口、閉じなさい!」と何度言っても、気づけばポカンと開いている……。
そんなお子さんの様子に、不安を感じたことはありませんか?
実は、口呼吸は単なる「癖」ではありません。放置すると、歯並びや顔貌、さらには全身の健康にまで影響を及ぼす可能性があります。歯科医師として長年多くの患者さんを診てきた立場から、口呼吸と歯並びの関係について、できるだけわかりやすくお伝えします。
鼻呼吸への改善方法や、松本歯科クリニックで行っている小児矯正・プレオルソを用いた育成矯正についても詳しくご紹介しますので、ぜひ最後までお読みください。
こんなお悩み、ありませんか?
- 口が開いたままになることが多い気がする
- 歯並びへの影響が心配で、矯正を考え始めている
- 子どもの口呼吸をどう改善すればよいかわからない
初診では現在の歯並び・かみ合わせの状態を確認し、治療の要否や進め方をわかりやすくご説明します。「まず話だけ聞きたい」というご来院も歓迎しています。
口呼吸が歯並びに悪影響を与えるメカニズム
まず、なぜ口呼吸が歯並びに影響するのかを理解しておきましょう。
鼻呼吸をしているとき、舌は上顎の前方にある「スポット」と呼ばれる位置に収まっています。この状態では、口の内側から上顎へ自然な力がかかり、歯列のアーチを広げる方向に働きます。同時に、口を閉じているため口周りの筋肉(口輪筋)が外側から歯を支え、内外のバランスが整います。
ところが、口呼吸になると舌が低い位置に落ちてしまいます。
舌が上顎から離れると、内側からの支えが失われ、頬の粘膜からの圧力が優位になります。頬からの力で歯列が内側に押し込まれ、歯が並ぶスペースが狭くなっていくのです。さらに、常に口が開いた状態では下顎が下方へと成長しやすくなり、出っ歯・乱ぐい歯・開咬といった不正咬合が生じやすくなります。
一度口呼吸の癖がつくと、歯並びが悪化し、さらに口が閉じにくくなり、また口呼吸がひどくなる……という悪循環に陥ります。
口呼吸が引き起こす具体的な歯並びの問題
口呼吸が続くと、どのような歯並びの問題が起きるのでしょうか。代表的なものを3つご紹介します。
出っ歯(上顎前突)
上顎前突は、上の前歯が前方に突き出た状態です。
飛び出した前歯によって口が閉じにくくなり、さらに口呼吸が促進されます。幼少期の指しゃぶりや爪を噛む癖も原因となりますが、口呼吸による舌の低位もこの状態を悪化させます。見た目の問題だけでなく、歯の隙間から息が漏れてサ行の発音が不明瞭になるなど、日常生活への影響も出てきます。
受け口(反対咬合・下顎前突)
受け口は、下の前歯が上の前歯より前に出た状態です。
口呼吸によって舌が低い位置に落ちると、舌が直接下の歯に接して内側から押し続けます。その結果、下顎が突出しやすくなります。正しい噛み合わせと逆になるため、食べ物をしっかり噛めず、顎の骨にも過剰な負担がかかります。
開咬(かいこう)
開咬とは、奥歯を噛み合わせても前歯が上下に開いたままになる状態です。
常に口が開いているため舌が前歯の間に入り込みやすく、歯列に強い力がかかり続けます。食べ物を前歯で噛み切ることが難しくなり、奥歯に過剰な負担がかかって歯の寿命を縮めるリスクもあります。
口呼吸が歯並び以外に与える悪影響
口呼吸の問題は、歯並びだけにとどまりません。
鼻には、吸い込んだ空気を温め、湿度を調整し、細菌やウイルスをフィルタリングする機能があります。口呼吸ではこのフィルター機能が働かず、外気中のウイルスや細菌が直接体内に入り込んでしまいます。その結果、風邪やインフルエンザにかかりやすくなるだけでなく、免疫力の低下を招くとされています。
また、口が乾燥することで唾液の抗菌作用が失われ、虫歯や歯肉炎のリスクも高まります。
さらに、睡眠中も口が開いたままになるため、仰向けで寝ると舌や下顎が下がって気道が塞がり、睡眠時無呼吸症候群を引き起こす可能性もあります。
口呼吸は「歯並びの問題」ではなく「全身の問題」です。
お子さんの口がいつもポカンと開いていたら、早めにご相談ください。
口呼吸になる主な原因
口呼吸の原因は、大きく3つに分けられます。
鼻づまり・アレルギー性鼻炎

口呼吸の原因として最も多いのが鼻づまりです。
花粉症やアレルギー性鼻炎、副鼻腔炎などで鼻が詰まると、必然的に口で呼吸するようになります。鼻づまりが治っても、口呼吸の癖が残ってしまうケースも少なくありません。耳鼻科での治療が必要な場合もありますので、まずは原因を特定することが大切です。
歯並びの問題(出っ歯・受け口など)
出っ歯や受け口などの不正咬合があると、物理的に口を閉じることが難しくなります。
口を閉じようとするとアゴのあたりにシワが寄る場合、それは無理な力を入れないと口が閉じられないサインです。この場合、まず歯並びを治すことが口呼吸改善への近道となります。
口周りの筋力低下
口輪筋(こうりんきん)という口周りの筋肉が弱いと、口をしっかり閉じていられなくなります。
現代の食生活では硬いものを噛む機会が減り、口輪筋を鍛える機会が少なくなっています。幼いころから口が開いたままの癖が続くと、成長しても口呼吸が定着してしまいます。
今すぐできる!鼻呼吸への改善方法

口呼吸を改善するためのアプローチをご紹介します。
あいうべ体操で口周りの筋肉を鍛える
「あいうべ体操」は、口周りの筋肉を鍛えるシンプルなトレーニングです。
「あ」「い」「う」「べ」と大きく口を動かすだけ。毎日続けることで口輪筋が鍛えられ、自然と口を閉じられるようになっていきます。お子さんでも楽しく続けられる方法です。
舌の位置を意識する(スポットポジション)
舌先を上顎の前方にある「スポット」に当てる練習をしましょう。
舌が正しい位置にあると、自然と鼻呼吸になりやすくなります。最初は意識しないと難しいですが、繰り返すことで習慣になっていきます。
MFT(口腔筋機能療法)
MFT(Myofunctional Therapy)とは、舌や口周りの筋肉の機能を改善するトレーニングです。
歯科衛生士の指導のもと、段階的なメニューを通じて舌の位置を正し、口輪筋を鍛えます。お子さんの場合、モチベーションを保つことが課題になりますが、楽しみながら取り組める工夫をしながら進めていきます。
矯正治療で歯並びを根本から改善する
歯並びの問題が口呼吸の原因になっている場合は、矯正治療が最も根本的な解決策です。
歯並びを整えることで物理的に口が閉じやすくなり、自然と鼻呼吸へと移行しやすくなります。
口呼吸の影響が気になってきたら、お気軽にご相談ください。
「相談だけ」「何から始めればいいかわからない」というご来院も大歓迎です。
松本歯科クリニックの小児矯正・育成矯正について
口呼吸の改善には、早期からのアプローチが非常に重要です。
松本歯科クリニックでは、3歳頃から小児矯正に対応しています。お子さんの顎や歯の成長段階に合わせた治療を提供しており、口腔機能の改善から本格的な矯正治療まで一貫してサポートします。
プレオルソ(3歳〜10歳)
プレオルソは、口腔機能の改善を中心としたマウスピース型の装置です。
3歳から10歳を対象とし、口周りの筋肉を鍛えながら、舌の位置や飲み込み方などの癖を改善します。歯並びを整えるだけでなく、口呼吸の根本的な原因にアプローチできるのが大きな特徴です。装置を使いながら自然な口腔機能の発達を促すため、お子さんへの負担も少なく済みます。
育成矯正(拡大装置による顎の誘導)
育成矯正は、主に犬歯が生えかわる前のお子さんに行います。
拡大装置などを使って顎を広げ、歯が正常に並ぶよう誘導します。顎のスペースを確保することで、将来的な抜歯リスクを減らすことにもつながります。当院では「松本式歯を抜かない矯正治療」を基本方針としており、小臼歯の抜歯はやむを得ない場合を除き、なるべく行わない方針です。
ワイヤー矯正(8〜10歳前後から)
ワイヤー矯正は、8歳から10歳前後から開始できます。
表側矯正を中心に、部分矯正・全顎矯正の両方に対応しています。なるべく目立たないよう、透明かクリーム色のブラケットを使用しています。現在は白いワイヤーも選択可能ですので、審美面が気になる方もご安心ください。
アイテロ ルミナで変化を「見える化」

当院では、口腔内スキャナー「アイテロ ルミナ」を活用しています。
毎月の来院時に撮影し、歯並びの変化を患者さんと共有します。ワイヤー矯正でも実施しており、治療の進捗を目で確認できるため、お子さんのモチベーション維持にも役立っています。
矯正治療の初診から完了までの流れ
「矯正治療って、どんな流れで進むの?」と不安に思う方も多いと思います。
松本歯科クリニックでは、治療の流れや目標を最初に丁寧にご説明し、ご同意のもとで治療を開始します。短期間で治療を終えられるよう配慮しながら進めていきます。
- 初診…問診・全体のレントゲン撮影・口の写真撮影・セファロ(X線規格写真)撮影・型取り
- 診断・ゴール設定…治療目標を明確にし、最適な治療法をご提案
- 筋機能訓練…必要に応じてMFTなどを実施
- 矯正装置の製作・装着…床矯正・部分矯正・全顎矯正など、ご希望に合わせて選択
- 装置の調整・歯の清掃…定期的に来院し、装置を調整
- 再評価・装置追加製作…育成矯正・部分矯正の場合は追加製作も
- メンテナンス…3ヶ月に1回、歯と歯肉のチェックを実施
床矯正・部分矯正では装置ごとに料金を設定しており、初期費用が比較的安く済む設定です。治療前にしっかりとご説明しますので、費用面でも安心して治療を受けていただけます。
まとめ|口呼吸は早めの対処が大切です
口呼吸は、放置すると歯並びの悪化・顔貌の変化・免疫力の低下など、さまざまな問題を引き起こします。
特にお子さんの場合、成長期に適切な対処をすることで、顎や歯の正常な発育を促し、将来の健康につながります。「うちの子、いつも口が開いているな」と感じたら、それは早期介入のサインかもしれません。
あいうべ体操や舌の位置の意識など、ご自宅でできることから始めながら、根本的な改善には矯正治療や口腔機能訓練が有効です。
松本歯科クリニックでは、3歳からのプレオルソ・育成矯正をはじめ、成人矯正まで幅広い年齢層に対応しています。口呼吸や歯並びのことでお悩みの方は、ぜひ一度ご相談ください。
▼ 松本歯科クリニックへのご相談・ご予約はこちら
口呼吸・歯並びのお悩み、まずはお気軽にお問い合わせください。
初診時には丁寧にご説明し、最適な治療法をご提案します。
まずは、現在の歯並びを確認してみませんか?
口呼吸の影響や矯正の必要性は、お口の状態によって異なります。初診では現状の確認と丁寧なご説明を行い、治療方針は患者さんと一緒に決めていきます。
📋 お持ちもの:保険証(お持ちの方)/気になる症状をメモしていただくとスムーズです。
著者情報
松本 弘幸(まつもと ひろゆき)

平成4年3月
北海道医療大学歯学部卒業
平成8年3月
北海道医療大学歯学研究科博士課程修了
平成8年6月
北海道医療大学歯学部助手
平成11年6月
松本歯科クリニック 開院
所属
日本口腔インプラント学会(JSOI)専門医
近未来オステオインプラント学会(IPOI)専門医
日本歯科医師会(JDA)会員
北日本インプラント研究会(NIS)会員
旭川インプラント研究会(AIS)会員
日本訪問歯科協会認定医
血液型:A Rh+型
趣味:ピアノ、合唱、マラソン















